「今日ね、スタジオに入る前にお祈りしてきた。ゆうべのゆず茶が効きますように。マスターの機嫌がいい日でありますように。できれば3回以内にOKが出ますようにって」
「ほほーう。結果を聞かせてもらおうか」
「今から帰る! 走って帰るよ! 1回細かい所録りなおしただけでもう大丈夫って言われたの!」
「よし! よく頑張ったさすが自慢の妹!! じゃあめーちゃんに連絡しちゃうよ?」
きゃあっと電話口からミクの黄色い歓声が聞こえてくる。
急いで帰宅して着替えて、ホテルに駆けつけて18時。
開演時間はその30分後。
出番は開始1時間後とのことなので、十分間に合う時間設定だ。

ミクとの電話が慌ただしく切られ、僕は一呼吸おいてから馴染みの短縮キーを押す。
彼女は妹の努力に裏打ちされた結果を疑わない。
しかし、今回のスケジュールは本当にタイトで、運の要素に左右された感が否めず、後ろ髪を引かれる思いで長姉はリハーサルに向かった。
2コール目で繋がった会話に挨拶はなく、どうなの? と逸るメイコに僕は、にやりと笑い告げた。
「ゆず茶の勝利だ」


Dear Laura.With Mary.


***
僕たちの輪郭が凹凸を帯びてきた、と実感し始めた頃だ。
季節は晩秋。
街路樹がすっかり丸裸になり、橙色の夕陽は手元から転がり落ちるように宵闇に包まれる。
(昔の人は井戸の桶に喩えたんだっけ)。
喉の乾燥を憂えたメイコに毎朝毎晩、生姜紅茶を飲まされていた僕は、生涯2度目の冬を迎えようとしていた。

かちゃり、と控えめに玄関の扉が音を立て、小さな影はただいま、と呟いた。
「おかえり、ミク」
洗い物の手を止めて振り返ると、緑の髪を上着の背中に入れたまま帰ってきた妹の顔は、マフラーに半分埋まっている。

「お家の中はあったかいね」
ほっとしたようにもこもこのコートを脱ぎ、白と黄緑のボーダーのマフラーを外したミクの頬は、内側に電球が仕込んであるのかと疑うほど真っ赤になっていた。

「ああ……。そんなに寒かったの?」
「うん、とーーーっても!!」

にへへ、と困り顔で笑う美少女アイドルに姉の面影を見た。
(めーちゃんと一緒だ)。
しかたないわねと目を伏せる長女の口元に浮かぶ笑みはいつもほろ苦く、そしてとろけるように甘い。

僕と違って寒がりな姉妹。
木枯らしが厚手の上着をも貫くようになった最近は、肩を寄せ合ってじゃれているのをよく見かける。
まるで幼い頃から一緒に育った実の姉妹であるかのように、きゃいきゃいはしゃぐ新しい子と、愛おしそうにその額を撫でる彼女。
その芳しい秘密に満ちた空間に分け入って行くのはとても勇気が要ることのように思えた。

控え目で、おしとやかで、少し臆病な緑の子。
僕の見ていないところではどうなんだろう。

お姉ちゃん、一緒にお風呂入ろ!
呼ばれるのは僕じゃない。
お姉ちゃん、一緒に寝ていい?
呼ぶのは僕じゃない。

(僕は、この子のこと嫌なのかな)。

「ミク」
小さく呟くと、上着をかけていた少女は振り返る。
戸惑いと、うっすらとした警戒心。
「手、出してごらん」
僕の差し出した手におずおずと乗せられる小さな指先。
その氷のようなか細い感触も。
(めーちゃんと同じ、だ)。

「わ……、カイトさんの手、温かい」
ミクの口元がほころび、肩からは力が抜けるのが分かった。
「お湯、使ってたから」
思ったより柔らかい声が出たことにほっとする。
この子は素直でいい子だ。
嫌なことなんて、ない。
無理に視線を合わせなければ、つむじしか見えないサイズの妹を愛しく思った。

「ミクの爪の色、寒そうだね」
「うん。カイトさんは青くても寒さに負けてなくていいなぁ」
「そうだね。……仕事が終わった後は、色を落としてみたらどうかな」
「いいかも!」

妹は僕を見上げて笑った。
胸が空くような思いがした。


「カイトさん、見て!」
押さえきれない歓びに、弾む吐息と舞い上がった足音。
こぼれんばかりの満面の笑みで、少女は駆け寄ってくる。
いつもは姉にしか向けられないその表情、きらきらと光る瞳が僕の正面に在るのはきっと初めてだっただろう。
僕の視界いっぱいに映るよう見せつけられた指先。
背伸びをしたミクは、息せき切って喋り始めた。
「あのね、お姉ちゃんがね」

心臓を、誰かの冷たい手に、ぎゅっと握り潰される思いがした。
(何で、この子が)。

幼い、未成熟の、稚いコドモには不釣り合いな。
艶めかしく、恍惚を誘う、崇拝の対象とでもいうべきの。
赤が、そこに在った。

「ミクもたまには違う色を塗ったらって言ってくれたの。それでね」

上気した頬。
薄紅の唇から見え隠れする柔らかい光沢の舌。
白い指先に透けて見える血の色。
だけど。
(この子はめーちゃんじゃない)。

「でも、想像したのよりずっとずっと綺麗で」

憧れて。
甘えて。
少しでも近づきたくて。
(むしろ、僕だ)。

「補色って言うんだって。お姉ちゃんのレッドとわたしのシアン」

レッド。あかのこと。
シアン。あおみどり。
僕の青と似て非なる色。

僕は?
僕よりミクの方が「ふさわしい」?


「特別なのよって言われて、わたし嬉しくって」
「似合わないよ」

「……え?」

僕より後から来た女の子は。
僕より無垢な心を持った妹は。
僕より大きな目をぱちりと見開いて。
その瞳が揺らめき、瞬きと共に落ちた水滴が床を叩く前に、僕は踵を返して部屋に逃げ帰った。


「えっ……ぅう、……ひっ……、うえぇ…………」

居間からかすかに聞こえてくる、妹のしゃくりあげる嗚咽。
防音加工の僕の部屋のドアは中途半端に開いていて、役目をなしていない。
恐らく泣きじゃくる妹の背中をさすってあやしているであろう、メイコの気配さえ感じられる気がする。
「なんで、あんなこと」
はしゃぐ少女の心をぐさりと抉っても、僕の気持ちは晴れなかった。
後悔しているかもしれない。
謝りたいのかもしれない。
何故?
考えるのが怖かった。
でも、きっと。
答えはもう分かってる。


僕はミクに暴言を吐いて、泣かせてしまいました。
ミクは傷ついたね。僕は大人げなかったよ。
ごめんね、ミク。
仲良くしようね。

そう心から言えたのならどんなによかったか。

胸の中で渦巻くこれは。

僕はミクに暴言を吐いて、泣かせてしまいました。
ミクは傷ついた。僕は大人げなかった。
――でも、本当のことだ。
僕は間違っていない。
そして。
ミクは僕を嫌う。避ける。
自分を甘やかしてくれるメイコに逃げる。

それから。


可哀想な妹をメイコは慈しむ。守る。
可愛い妹に敵意を突きつけた僕を。

き ら う。


す  て     る     ?



「カイト?」
「――ッ!!」

ベッドの上で、壁に背を預けだらしなく座っていた僕は、はっと身を強張らせ、ドアの隙間から顔を覗かせるメイコを見た。
その気配に気づくことすらできないほど、放心していたようだ。

「心ここに有らず、って感じね」
その口調も、憂いを帯びた表情も、悪いことをした子どもを叱る声にしては随分と優しい。

「……ミク、は?」
「寝ちゃったわ」

メイコはドアをぱたんと閉じ、ため息を一つ吐いた。

「隣、いいかしら」
「……うん」

まともに目を合わせられない。
もしも、その瞳が氷のように冷たい蔑みを含んでいたのなら、僕はそれに刺し貫かれてしんでしまうだろうから。

「何が不安なの?」
彼女の言葉は穏やかに僕の耳朶を打った。
僕を慮るようなその響き。

僕は何も言えない。
今口から零れるものはどれも取り繕うものでしかなく、それらすべてをメイコは絶対に見透かしてしまう。
きたない言葉で本音をぶちまけたが最後、メイコの心は完全に僕から離れていって、そして――。

「あなたも、ミクも、大事な私の家族よ」

「な、んで」
なんでそんなことが言えるの。
僕はミクが邪魔だった。
家族なんていらなかった。
ずっと二人でいられたらよかったのに。

喉元まで出かかったその言葉をぐっと飲み込むと、代わりに驚くほど大きく生暖かい水の粒がぼろりと零れ落ちた。
僕に泣く資格なんてないのに。
いつからこの人は僕のものだなんて錯覚していた?

「カイト」
「ぼ、く、なんかよりも、ミクの方が、めーちゃんにお似合いなんだ」
ぎゅっと詰まった喉の隙間から絞り出した掠れた声に、メイコの戸惑う気配が伝わってきた。
僕は自分の言葉にダメージを受けていた。
口にしてしまったことで、それが事実のような気がして。

「ねえ、カイト」
俯いた僕の前髪にそっと手が差し込まれ、宥めるように横に梳かれる。
恐る恐る顔を上げると、滲む視界でメイコがふっと息を吐いた。

「私はあなたのパートナーだと思っていたのだけれど、そんなに自信が持てないのかしら」

「……ひっ」

思わぬ言葉に呼吸が乱れ、妙な嗚咽が間抜けに響きわたった。
苦笑した彼女は僕の前髪をくしゃくしゃともてあそび、鼻はかんどきなさい、美形が台無しだわと嘆息しタオルハンカチを握らせてくる。
その吸湿性のよい柔らかい布で、慌てて顔を乱暴に拭うと、僕の心の中の澱もおかしなほどあっさりと消え去ってしまった。

「あ、め、めーちゃ……ん?」
縋るように掴んだ右手はひんやりと冷たく、すべすべで、か細くて、今引き寄せないと遠くに行ってしまうようで、欲望に忠実な僕は肩ごとさらってしまった。
腕の中に閉じ込めて、嫌がられていないことに安堵して、何よりも愛おしいことを再認識して、幸せに浸って、もう何も不安などなくて――。

これでいいのだろうか。
いや、そんなはずはない。
すっかり舞い上がってしまった僕の中のネガティブな僕が、脳髄に鋭い針を抉りこんでくる。
お前は強迫観念から何をした。
自分の欲のままに誰を傷つけた?
言ってはいけないことを、思ってはいけないことを、無様にぶちまけて醜態をさらしたんだ。
不安定な立場にいる弱い子に、慈しみの心を持って接してくれた大事な人に。

「ごめん、ごめんなさい。……どうかしてたんだ」
「いつものことだけど、もう少し大人になりなさいよね」
呻く僕の頬をぴんと弾いて、彼女は晴れやかに笑う。
そう、いつもだ。
いつもこのひとは僕に滅茶苦茶に甘い。



自制心は自分で育てねば。
自覚するとそれは実に真っ当なことのように思えた。
この嵐のように荒んだ数時間で僕が学んだこと。
それを気づかせてくれた少女に僕は感謝せねばならない。


気が付くと背中に硬い感触と、左肩に控え目な重み。
さらさらの髪から、花か果実の香りが漂ってくる。

見えなくても隣にメイコがいることが伝わる。
手が届かないほどずっと遠くにいるけど、いつも温もりを感じられる距離に存在している、僕の半身。

ぼんやりと目を覚ますと、しかしながら視界に入ったのはみどりいろ。
二人で話したそのままの格好で、いつの間にか眠り込んでしまった僕と、僕の肩に頭を預け、すうすうと寝息を立てるメイコ。
その膝を枕に子猫のように縮こまって横たわるミク。

「……え」
何だこの絵づらは。


ぱちり。
大きな青い目が見開かれ、しばしさまよった後に、僕の視線とかち合う。
「カイト、さん」
覚醒したミクは慌てた様子で身を起こした。
泣き寝入りから目を覚ました後、メイコを探し求めて僕らを見つけ、どうしていいかも分からず、声をかけそびれているうちに再び睡魔に襲われてしまったのだろう。
メイコの膝を占領していたとは言え、慎ましやかでしおらしい少女に、もう胸がざわつくことはなかった。

「あ、あの……、ごめんなさい」
ミクは小さく、しかしはっきりと呟き、上目遣いで僕の表情を探るように見上げた。
「わたし、お姉ちゃんが優しくしてくれるのが嬉しくてそれで」
「ミク、ごめん。君は……悪くないよ」
僕は片手を軽く上げ、少女の言葉を遮る。
皆まで言わせてたまるものか。
「君は、悪くない。僕の八つ当たりだ。……あんな、意地悪なこと言って本当にごめん」
ミクもまた、泣きそうな目でぶんぶんと首を横に振る。
そっと手を伸ばし、恐々とその緑の髪をぎこちなく撫でた。
「もし、僕を許してくれるのなら、仲直りしてくれるかい?」
幼い妹は一瞬刮目してから、安堵したようににっこり笑って、一粒分だけ頬を濡らした。

ん、と微かな吐息に、小声でやり取りをしていた僕らは間に挟まれたメイコに目をやり、まだ目覚めそうにないことを確認した後、目くばせして再び微睡に戻ることを選択した。
初めての秘密を共有しながら、もう少しこの穏やかな空間に浸っていたかったのだ。

(所詮上辺だけの自己満足だ。お前の悋気は消えやしないよ)。
近くて遠いどこかから、誰かの嘲りが聞こえた、気がした。
だけど、今はもういい。
何もかも忘れて眠りたいんだ。

寄せられた肩に寄り添い、膝の上で丸くなり、愛しいひとを介して、僕らは同じ部屋の中で朝を待つ。



***
馬鹿ね、勝ったのはあの子の実力と、一途に願う純粋な心よ。
早口で返す彼女の声色は安堵感に彩られ、そうだよね、と笑う僕もため息を吐く。
今夜の舞台は一夜限り。
華々しく主演を飾るのは我らが末妹、ルカ。
そして物語の鍵を握る謎多き重要人物として、ルカを翻弄するのがメイコだ。
後半のクライマックスの場面でとある演出が用意されている。
なんとメイコの影武者としてミクが抜擢されているのだ。
外見上は似てもつかない二人がどのように同一人物を演じるのか非常に興味を惹かれるところではあるが、僕は台本を見せてもらえないため、二人の間で密やかに交わされる内緒話から漏れ聞こえる僅かな情報しか持ち合わせていない。
とはいえ諸々の大人の事情でミクの出演は公にはされておらず、そのためミクのもともとのスケジュールを妨げることは一切まかり通らなかった。
よって文字通りの影武者<シークレット>を貫くために、ミクは誰にも相談することなく自身の仕事を涼しい顔でこなさなければならず、また出番の前に控室にたどり着くことができなかった場合は演出自体がカットになるという取り決めも事前に行われていた。
この度めでたく天は小さな歌姫に味方したというわけだ。
メイコが、ミクが、この舞台のオファーが来た時からどれほどの情熱を傾けていたか、僕は知っている。
仕事の鬼と呼ばれる、一切の妥協を許さないメイコと、あれから数年の時を経て大ベテランになった今も、初心を忘れず向上を怠らないミク。
改めて言うまでもなく、プロトの歌姫である二人の根本はそっくりだ。
それぞれ与えられた役割を全霊で演じ切るプロとして生まれてきた姉妹。
どちらも実に自慢の、僕のきょうだい。

ようやくここまで漕ぎつけた。
送り迎えや連絡役といった物理的なサポートでしか役に立てない僕は、これからが腕の見せ所になる。


部屋に戻り、身支度を整え出かける準備を済ませているところに着信が入った。
上着を片手に居間に戻り5コール目で受信する。

「やほー。今終わったけど帰らずにそのまま行った方がいい?」
駅、駅のコインロッカー忘れんなよ、と背後からぶつくさ声が聞こえる。
「お疲れ。ドレスとスーツは駅に預けてるんだっけ? 僕もそろそろ出るから先に適当に夕飯済ませときなよ」
「らーじゃ! また後でね」
鏡音の双子は会場からさして遠くないスタジオを今出たところのようだ。
入り口で合流してチケットを渡す予定ではあるが、ミクを送り届けた僕がエントランスに辿り着く時間はかなりギリギリになるだろう。
ミクにも何か食べさせなければならないので、僕らも車の中で軽くつまめるものを用意してある。


そうして、幾何も経たないうちに――。
「ただいま!」
がちゃん、と玄関の扉が賑々しく音を立てる。
「お帰り、ミク」
熱い紅茶をポットに移し振り返ると、緑の髪を振り乱しマフラーを気忙しげに外した妹の頬は、つやつやと紅潮し、吐息は溌剌と弾んでいた。

「まさか本当に走って帰ってくるとはね」
「せっかく早めに終わったんだから、ちょっとだけ時間に余裕を作りたかったの!」
答えながらもミクは部屋に駆け込み、すでに用意してあったらしい着替えやすい前開きの服を着て、これまた中身の揃った荷物を片手に戻ってきた。

「上出来だ。だけどちょっと早すぎやしない? 車の中で少し休んでていいんだよ」
僕の準備も整ったので、やはり早めに出掛けるか、と車のキーを手に取る。
夕方の渋滞に巻き込まれても困るしね。

「お兄ちゃん」
と、僕の袖を引っ張るミク。
振り返る僕の視界いっぱいに映るよう見せつけられた指先。
背伸びをしたミクは、期待に満ちた目で僕を見上げる。
「あのね、お姉ちゃんがね」

眼前に差し出された指先は細く、桜貝のような淡い血色の爪。
「お兄ちゃんに塗ってもらってきなさいって」

その指に包まれている、深紅の液で満ちた小瓶。
驚異的な既視感。
見慣れた「メイコの」色だ。

ミクが来て、リンとレンが来て、ルカが来て。
個性を強調するために、僕もたまに塗ることがある、僕たちきょうだいのイメージカラー。
戯れに塗ってあげたりもらったり、色を交換してみたり。

それでも、今このシチュエーションで、この二人で。

こう来たか、と僕はここにいないポリッシュの持ち主を想う。

「僕でよければ、喜んで」
小さなボトルを受け取り、椅子に座るよう促す。
ソファに腰を落ち着け、向かい合い、恭しく蓋に手をかけた。
どちらからともなく視線を交わし、阿吽の呼吸で頷き合う。

歌に力を。
ステージの成功を。
そして、どうかあの人の魂を再現できますように、と。

大丈夫。
今度こそは。

「絶対に、似合うよ」

部屋の掛け時計が午後5時を告げていた。




カイトはミクに当たったことを今でも覚えてるけど、ミクはまだ幼かったので時間と共に流して深く考えていなかったのかも。
ということにして他の話との整合性を図りたい。

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