何故戦うの、と彼女はしばしば背後から肩をたたかれる。
争いごとは悲しみしか生み出さないのに、と銀髪の美女は目を伏せる。
ばっかじゃないの?ただの英雄願望じゃない、と釣り目の少女は鼻を鳴らす。
そんな時少女は胸を張ってこう応えるのだ。
決まってるじゃない。私の大好きなお姉ちゃんとお兄ちゃんの選んだ道なのよ。
大好きな弟と妹と一緒に叶えたい夢があるからよ。
力なき正義は何も守れやしないわ。
わたしは自分を誇りに思う。だから戦えるの。だから負けないの。
英雄になりたい訳じゃない。家族と笑い合える幸せな未来を目指すためには、道は自分で切り拓くものよ。
詭弁だと言われても、狂っていると誹られても、翠の少女はただ不敵に微笑むだけだった。
そうさ、いつだって絶望と希望は隣り合わせ。
悲しみの淵から這い上がる度に人は強く、そして脆くなっていく。
僕らの選んだこの道は誤っていて、尚且つ狂おしいほどに理に適っている。
それでも。
一つだけ確かなこと。
「分かってるでしょ」
「言わせないでよ」
最後に笑うのは僕と僕の姉弟達だってことさ!
中途半端なんてひk(ry